No.34 ごみ処理事業の節目の年
更新日:2014年8月13日
(広報いなぎ平成26年8月15日号掲載)
今年は、多摩川衛生組合の発足から50周年、谷戸沢処分場の開設から30周年となる節目の年です。
多摩川衛生組合は昭和38年9月に狛江町と多摩村がごみ焼却処理のため「狛江・多摩衛生組合」を設立し、翌年8月に稲城町が加入して「多摩川衛生組合」と改称したのが始まりです。
昭和42年8月には稲城町と多摩町がし尿処理のため「稲城・多摩衛生組合」を設立し、昭和46年4月に狛江町が加入して「稲城・多摩・狛江衛生組合」と改称します。その結果、ごみ焼却、し尿処理の双方の組合の構成団体が同一となったことから両組合を合併し、新たな「多摩川衛生組合」になりました。
その後、平成5年3月には多摩ニュータウン区域内の新工場建設に伴って多摩市が脱退し、同年4月には府中市が部分加入(甲州街道以南の区域分)、平成10年4月には現在の新工場が操業開始しました。平成11年4月には国立市が加入し、平成19年4月には府中市が全域加入(甲州街道以北の区域分)となり、現在に至っています。
一方、ごみの焼却処理で発生する焼却灰は、多摩地区25市1町で構成する「東京たま広域資源循環組合」で処理しており、稲城市も加入しています。
昭和30年代前半ごろまで多摩地区のごみは、生ごみは養豚業者で需要があり、焼却灰はそれぞれの市域に埋めるなどで処理されていました。しかし、高度経済成長期以降、人口や個人消費の急速な伸びとともに廃棄物も急増し、各市において適正に処理することが困難となりました。
昭和48年7月に「廃棄物終末処理対策協議会」が組織され、一般廃棄物最終処分場の設置・維持管理について長期にわたる議論をし、昭和55年11月に「東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合」を設立、昭和59年4月に日の出町の谷戸沢処分場が完成・供用開始となりました。
この最終処分場は平成10年4月に埋め立てを完了し、開設から30年経った現在ではビオトープが設置され、徐々にかつての自然環境を取り戻しながら、動植物が保全されています。
平成18年4月には廃棄物を単に埋立処分する事業から一層の資源循環にシフトすべくエコセメント事業を開始したため「東京たま広域資源循環組合」に改称されました。
最終処分場の受け入れを巡っては、日の出町さんに多大なるご労苦をおかけしたと聞いております。改めてその事実を風化させることなく、将来に引き継いでいく責任を感じています。
また、多摩川衛生組合では平成22から23年度に事故等が多発し、構成4市の市民及び日の出町の皆様にご心配とご迷惑をおかけしてしまいました。事故等再発防止推進委員会を設置し、工場運営全般にわたる改善を遂行しながら信頼回復に向け、取り組んでおります。
かつてごみは避けられる話題でしたが、現在の環境行政においては中心課題となっています。美しい多摩地域を将来にわたって維持するために、先人の知恵と努力に学びながら、今後ともみんなで、ごみ減量・リサイクルを推進してまいりましょう。
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