稲城市

No.107 市立病院への財政支援に関する要請活動

最終更新日:2020年11月12日

わが国の感染症指定医療機関の感染症病床は、約6割を自治体病院が担っており、今回の新型コロナウイルス感染症に対しても大きな役割を果たしています。
全国自治体病院協議会が会員病院に対して実施したアンケート結果によると、新型コロナウイルス感染症患者は医療提供体制の整った大規模病院を中心に受け入れ、疑い患者を含めた中等症・軽症患者については中小規模病院も受け入れている状況が判明しました。そして、新型コロナ患者を受け入れた多くの自治体病院は、現在収益の悪化に苦しんでいます。
これまでに、政府は重症・中等症患者の受入病院に対して診療報酬を3倍とし、第二次補正予算においては「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」を拡充し、全体で2兆2,370億円を措置してきました。また、総務省では地方公営企業の減収対策への資金手当てとして「特別減収対策企業債」の発行を認めています。
しかし、これらの措置にもかかわらず、令和2年4から6月分の減収分の補てんにさえ十分ではありません。
国難ともいえる新型コロナウイルス感染症の蔓延に対して自治体病院はその使命を果たしてきており、コロナ禍の中で倒れてしまわないよう更なる財政支援が必要だと考えています。
私は本年度、公立9病院が加盟する「三多摩島しょ公立病院運営協議会」の会長を務めており、令和2年5月25日に副会長である青梅市立総合病院開設者・浜中青梅市長と共に、厚生労働大臣及び東京都知事宛てに新たな交付金・補助金の交付、既存の補助制度の増額による支援を要請してまいりました。しかし残念ながら、これまでのところ明確な成果はありません。
その後令和2年8月には、市議会の複数の会派からそれぞれ都本部を通じ、内閣官房長官や都知事に同趣旨の要望を提出していただいているところです。
現在、この要請活動を拡大継続していくため、東京都のみならず各地の首長と共闘体制を築くべく活動を始めております。
今回は国の年度内予算に対する要求であるため、急を要することになりますが、短期間に全国へ向けて賛同者を募ることは難しいことです。そこで、私が参加する市長有志のLINEグループに呼びかけさせていただきましたところ、公立病院の開設者で同様の減収に悩む市長・町長から賛同のご意見と要請活動への参加表明がありました。
新型コロナ患者の受け入れによる直接的な影響のみならず、診療控えによる一般患者の減少という間接的な影響も考慮すると、減収は今後もしばらく続くことが見込まれます。こうした減収は開設自治体だけでは支援しきれない状況になりつつあり、このままでは公立病院が倒れてしまう状況が全国に広がってしまう恐れがあります。
そこで我々は、前年度の決算収支の実績を踏まえ、減収を広く補てんするような新たな財政支援を、賛同首長及び本件要請活動を支えてくれる地元国会議員と共闘しながら、政府に対して要請してまいります。
稲城市では、感染症対応は長丁場となることを再度確認し、地域医療の確保を最優先に取り組んでおります。市民の皆さまにおかれましては、改めて身体的距離の確保・マスクの着用・手洗い・うがいといった感染症予防対策にご協力をお願いします。

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