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常楽寺(じょうらくじ)の閻魔王坐像(えんまおうざぞう)

更新日:2017年6月27日

仏教では、死者は冥界めいかい(仏の世界)において罪業ざいごうをさばく10人の王の裁判を順次受け、ゆくべき世界が定まるとされます。このような十王じゅうおうに対する信仰は、中国の唐末とうまつに成立し、平安時代後期に日本に伝わり、鎌倉時代に大流行しました。十王が冠をつけ、道服どうふくを着てしゃくをもち、忿怒ふんぬの姿を示すのは道教どうきょうの影響が強いといわれます。閻魔王えんまおうは、この十王のうちの1人で、地獄の王として知られています。また閻魔王の妹を奪衣婆だつえばといい、三途さんずの川のほとりで人の衣をはぎ、樹上の懸衣翁けんえおうにわたす鬼女きじょといわれます。
東長沼の常楽寺には東京都指定文化財の閻魔王坐像えんまおうざぞうが安置されています。阿弥陀堂あみだどう(本堂)内陣で阿弥陀三尊像あみださんぞんぞうの右手に、奪衣婆像だつえばぞうとともにあります。
この閻魔王像えんまおうぞうは、寄木造よせぎづくりで、像高98.3センチの坐像ざぞうです。全体に着色されており、開口憤怒かいこうふんぬの相をあらわし、玉眼嵌入ぎょくがんかんにゅうで作られています。
像内腹部ぞうないふくぶに「武州ぶしゅう多麻たま長沼村ながぬまむら樹光山じゅこうざん浄土院常楽寺じょうどいんじょうらくじ住持権大僧都竪者法印生山運海じゅうじごんたいそうとじゅしゃほういんせいざんうんかい自作じさく元禄十二己卯天閏九月日げんろくじゅうにつちのとうてんじゅんきゅうげつじつ」の墨書があり、元禄げんろく12年(1669年)に常楽寺住職の生山運海せいざんうんかいが制作し、当初から常楽寺に存在していたと思われます。
巧みな彫技ちょうぎでつくられ、南多摩に存在する江戸時代中期の仏像中の秀逸な作品といえます

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稲城市 教育部 生涯学習課
東京都稲城市東長沼2111番地
電話:042-377-2121 ファクス:042-379-0491

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