No.71 多摩サービス補助施設の一部返還
更新日:2017年10月15日
平成29年8月31日に、多摩サービス補助施設の一部が返還されました。
今回返還された土地は、日米地位協定に基づく共同使用という位置付けにより、これまで市が使用許可を受けてきた区域で、内訳は次のとおりです。
(1) 稲城市大丸1966番2ほか、面積約4,200平方メートル(大丸公園の一部として平成7年10月から駐車場に使用)
(2) 稲城市大丸1962番1ほか、面積約4,700平方メートル(大丸自然公園として平成18年7月から市立病院南側散策路などに使用)
市では、これまで南多摩ニュータウン協議会(八王子市・町田市・日野市・多摩市・稲城市で構成)などを通じて、多摩サービス補助施設全体の返還を要請してきました。
しかし、例年の回答では、現時点での全面返還は困難であるとの内容であったため、それに至る当面の対策として共同使用の促進を提案してきました。
今回の返還は、アメリカ側からの申し出により実現したものですが、これまでの長年にわたる要請の成果により一部実現したものと思われます。
しかし、これらの土地は元の地権者から軍が買収等により取得した土地であるため、返還といっても稲城市に戻ってくるわけではありません。財務省の管理する国有地となるわけですが、当面は現状のまま使用できることとなります。これまでは米軍から共同使用の許可を受けて使用してきましたが、今後は従来通りの用途に継続利用できるよう、財務省と協議してまいります。
ところで、現在は米軍横田基地所管のレクリエーション施設である多摩サービス補助施設は、もともと旧陸軍火工廠(かこうしょう)多摩火薬製造所でした。この施設を舞台に、作家浅田次郎氏が小説「日輪の遺産」を書き上げており、平成23年には映画化されています。市では市制施行40周年記念事業の一環として、同年8月に日輪の遺産試写会と原作者浅田次郎氏の講演会を、若葉台のiプラザで実施しました。
この作品の舞台となる武蔵小玉市は稲城市がモデルとなっており、陸軍多摩火工廠は、現在の多摩サービス補助施設です。そのため、今回の返還を機に、日輪の遺産記念公園として整備してはどうかとのご意見もあります。しかし、今回の返還部分は、市立病院南側のわずかな面積であり、この小説の舞台となった旧弾薬庫は、位置的にもずっと西側であるため、今回の返還による実現は難しいと考えます。
市では引き続き多摩サービス補助施設本体の返還を求めていくとともに、それが実現するまでの間、共同使用の更なる推進や旧弾薬庫を含む戦争遺構の見学の取り組みの促進などを要請してまいります。
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