No.112 令和3年度当初予算
更新日:2021年4月12日
本年度の予算編成では新型コロナの影響が続き、市税が大幅に減収となりました。
一方で、待機児童解消のための保育定員増・学童クラブ民間運営委託・障害児通所給付・生活保護など扶助費の増、GIGAスクール構想実現のため一人一台タブレット配備による通信料、建替え移転した第一調理場業務委託の増など、歳出において義務的経費・固定費が増額している厳しい状況です。
現状はリーマンショック時を大きく超えるものであり、財政危機の一歩手前として注意を要することを内外に周知するため、昨年10月に示した予算編成方針において「財政危機アラート状態」である旨を発出しました。
こうした状況の中、裁量的経費に関して5%のマイナスシーリングを実施しながらも、第一に新型コロナから市民の生命・生活を守る取り組み、第二に第五次稲城市長期総合計画の基本構想に定める将来都市像の実現に向けた持続可能な行財政運営、第三に市民の安全を最優先とした防災・減災対策、第四に受益者負担の見直しや新たな財源確保に取り組むと共に更なる経費縮減を図るという四点を念頭に予算編成を進めました。
このたび第1回市議会定例会で可決成立しましたので概要をお伝えします。
令和3年度一般会計予算の額は356億900万円、過去4番目の予算規模で、対前年度17億1,500万円4.6%の減となりました。
歳入の根幹をなす市税は、新型コロナの影響による納税義務者の所得減少や新型コロナ対策として土地の課税標準額が据え置かれた影響で3.5%、約5億4,200万円の減額となりました。地方交付税はその影響が考慮され26.0%増えているものの、増額分は1億5,400万円程度に過ぎず、一般財源総額としては1.7%減の約185億5,200万円に留まりました。
本年度の主な工事は、市道171号線改良(京王よみうりランド駅北口広場)、多3・4・12号読売ランド線改良、押立堀排水機場ポンプ交換、城山公園テニスコート改修、学校給食旧第一調理場解体などで、関連経費総額は約8億7,500万円となります。
昨年度までに市役所本庁舎空調設備改修、市役所第二・第三駐車場整備、(仮称)サイクルカフェ建設、学校給食第一調理場建替移転など約26億円の工事が完了しており、工事費としては約17億円減額となりました。
次に政策課題ごとに特徴的な予算を紹介します。
市制施行50周年関係
令和3年11月1日に市制施行50周年を迎え、記念式典の開催・市歌の制定・記念誌作成・映画上映会などの記念事業を実施します。
オリンピック・パラリンピック関連
1年間延期となりましたが、昨年度同様に聖火リレー・自転車ロードレース大会運営支援などの経費を計上しています。また、自転車競技のレガシーとして稲城中央公園サイクルカフェの前に、モニュメントを設置します。
子育て支援関連
第三保育園の建替移転民営化による「しおどめ保育園稲城」の開園及び第五保育園定員弾力化による定員増、第六保育園の民設民営化による低年齢児定員の増により待機児童の解消を目指します。また、令和2年12月に開設した稲城版ネウボラ「おやこ包括支援センター」で育児パッケージ配布・ファーストバースデイサポート・多胎児家庭支援・移動経費補助・産後ケアの各事業を実施します。
高齢者支援関連
3つの公的保険情報(国民健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険)をコーディネートし、全保健事業を一体的に実施することで高齢者の健康課題を支援します。また、令和3から5年度の介護保険事業計画(第8期)におけるサービス見込量を推計し保険料を改定することにより持続可能なサービスを提供します。
障害者支援関連
重症心身障害で医療的ケアが必要な方の通所事業所が市内に少ないため、誘致・定着を図る補助制度を創設します。
福祉相談・経済的支援関連
新型コロナウイルス感染症対策特別資金融資あっせん事業の貸付期限を令和4年3月31日まで延長します。また、福祉くらしの相談窓口への相談が増えているため相談員の増員体制を維持します。
教育関連
長峰小学校学童クラブと平尾小学校学童クラブを民営化し多様なニーズに対応すると共に、南山小学校学童クラブの定員を拡大します。また、学校給食共同調理場新第一調理場の稼働に合わせて、残渣リサイクル(堆肥化)を開始し環境対策を進めます。
安全安心なまちづくり関連
老朽化した押立堀排水機場のポンプを交換し内水氾濫の防止に備えると共に、消防署の梯子車特別点検整備(オーバーホール)を実施します。
にぎわいの創出と魅力あるまちづくり関連
稲城市姉妹友好都市交流協会と連携協力し、米カリフォルニア州フォスターシティ市と海外姉妹都市提携を締結し、交流事業を実施します。
今年度は財政危機アラート状態ではありますが、市民生活に必要なサービス水準を確保し、事務事業の不断の見直しと効率的・効果的な行財政運営を遂行する決意で予算編成に臨みました。新型コロナの影響による市民生活の厳しさを共有する思いで、市長・副市長・教育長の給料月額を令和3年度の1年間10%減額する措置も講じてまいります。
なお、新型コロナ対策については令和2年度第11号補正予算及び令和3年度第1号補正予算として、ワクチン接種事業については令和3年度第2号補正予算として、令和3年度当初予算とは別に計上し、今議会で可決成立しております。
今年度こそは、新型コロナの影響を克服して良き年度となりますよう、皆で力を合わせてまいりましょう。
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