No.72 住所の整理について
更新日:2017年11月14日
私たちは日頃「住所」という言葉を何となく使っていますが、厳密には様々な意味があります。
土地の所在を表す「地番」、人が住む場所を登録する「住所」、法人の本店所在場所を登記する「所在地」等です。それぞれ不動産登記法、住民基本台帳法、商業登記法などの法律に基づき、その方法が定められており、その基となるのが、土地の地番です。
この「地番」とは、現在では一筆の土地ごとに登記所が付する番号を言いますが、もともと太閤検地で作成された検地帳に由来し、土地の近代的所有権を確立した明治の地券発行の際に付番されたものです。
最初は一定の法則により整然と並んでいましたが、相続売買などに伴う分筆・合筆、道路鉄道などの築造に伴う分断、市町村の区域変更に伴う新規編入による新規付番などの経緯により徐々に規則性が失われ、今では番号が順番に並んでいない、飛んでいる、同じ番号に多くの住居が建っている等、大変分かりにくい状況になってきました。
こうした中で、市民や事業者から改善を求める要望が寄せられてきており、これまで市では「町界町名地番整理」という手法により、多摩ニュータウン地区と既存市街地のうち平尾地区の一部について、順次整理を行ってきました。
昭和62年に向陽台地区、平成2年に平尾地区の一部、平成6年に長峰地区、平成10年に若葉台地区にそれぞれ新町名を付け、番地を振り直しました。
これらの町を単位とした地番整理は、住所を分かりやすくするために一定の成果があり、既存市街地については平尾地区を皮切りに、市内全地区を順次整理する方針がありました。
しかし、この「町界町名地番整理」という手法は、土地の登記簿の表記自体を訂正する手法であるため、ニュータウンのような新規街区の誕生や、土地区画整理事業のように区画自体の移動変更を伴う場合は整理しやすいものの、既存市街地に一律に当てはめる事は技術的に困難な面もあり、その後の実施が中断していました。
この状況を打破するため、平成28年4月に都市計画課に住居表示担当の職員を配置し、改めて市内全域の住所の整理について調査研究を開始したところです。
これまで市では「町界町名地番整理」にとらわれていましたが、市内では未実施であった住居表示に関する法律に基づく「住居表示」の導入も含め、近隣市での実施状況を比較考慮のうえ、それぞれの地区の特性に合った手法の導入を検討しているところです。
本年8月には、市内各地区の自治会代表者、警察消防の官公庁、商工業事業者、郵便宅配便事業者、公募市民などから構成される「稲城市住所整理市民協議会」を立ち上げ、見直しに関する基本方針の策定をお願いしています。
住所の整理は、市民生活はもとより、地域活動や企業活動にも直接大きな影響があるため、今後とも市民や関係機関の意見を取り入れ、慎重に検討してまいります。
なお、実際の住所整理につきましては、多大な経費と期間を要するため、地区住民のご理解と準備が整い次第、順次進めていくこととします。
また、個別の実施にあたりましては、「住所整理審議会」と該当地区ごとに「地区市民検討会」を立ち上げ、実施するかどうかを含めて、個別に協議してまいります。
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