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広報いなぎ
平成26年6月15日「生物多様性&地球温暖化対策特集号」 1面


      
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“カエル”から見た稲城市の生物多様性
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“生物多様性”ってなに?

 「生物多様性」とは、私たち人間を含む地球上にいる生物の生息環境(生態系)、種、遺伝子が、多種多様であることです。私たちの暮らしは、食べものや着るもの、精神的な癒しも含めて、豊かな自然環境の存在によって支えられており、多種多様な生きものが暮らせる自然環境は、私たちが生存する基盤となっています。
 私たちにとっても、多くの生きものにとっても重要な「生物多様性」は、温暖化や開発、外来種の侵入などによって、危険信号がともっており、世界中が「生物多様性」を守る取り組みを進めています。
 稲城市でも、平成26年度末策定に向けて「(仮称)稲城市生物多様性地域戦略」の検討を進めています。

“カエル”から見た稲城市の生物多様性
 稲城市では、平成25年度から26年度にかけて、市内の生きもの調査を行いました。その調査結果の中からカエルを例として、市の生物多様性の今について、見てみましょう!

自然環境の“目じるし”
 カエルは、虫やクモなどを食べている一方、鳥やほ乳類、ヘビなどの餌となる小型の肉食動物です(下図参照)。鳥のように飛べないため、生息・産卵場所である水辺、樹林、草地等の分断・消失によって影響を受けやすく、環境の状況・変化を知る“目じるし(指標)”となります。




稲城市に生息するカエルたち


ニホンアマガエル※
水辺の植物上や樹林に生息


ヤマアカガエル※
丘陵地の樹林及び近くの水田・小川・湿地等に生息、ニホンアカガエルより体の両脇の線がはっきりしません。


ニホンアカガエル※
平地の草地・樹林及び水田・湿地に生息、今回の調査では確認されませんでした。


ツチガエル
水田・渓流等に生息、水中の泥中で越冬


トウキョウダルマガエル
平地の水田や池に生息


シュレーゲルアオガエル
水田や樹林に生息、水田のあぜなどに産卵


アズマヒキガエル※
樹林・草地に生息

注釈:シュレーゲルアオガエル以外は、水田等の浅い止水域に産卵します。
※ 写真出典:公益財団法人 日本生態系協会



 多くのカエルが確認されたということは、それらが生息できる多様な環境が残されているということです。カエルというと同じような環境に暮らしているイメージもありますが、上図のように種によって好む環境は少しずつ違います。多様な種が生息するためには、多様な自然環境があること、つながっていることが必要です。



 たくさんのカエルが確認されましたが、次のような「心配」があります。
<心配(1)>生息数や生息地が減っている!
 確認された7種のカエルのうち、アズマヒキガエルとウシガエルを除く5種は、東京都のレッドデータリスト(保護上重要な野生生物種:南多摩エリア)に選ばれており、特に数が減っているカエルです。今回の調査でも、確認された個体数や場所は限られていました。
<心配(2)>確認されなかった種がいる!
 今回の調査で確認できなかった「ニホンアカガエル」は、平地の水田や樹林が好きな種です。生息環境が少なくなったことによって、数が少なくなったと推測されます。
<心配(3)>元々いなかったカエルが確認されている!
 稲城市に元々生息していなかった「ウシガエル」が確認されています。ウシガエルは、地域の生態系を壊してしまうおそれがある生きものとして、法律で「特定外来生物(とくていがいらいせいぶつ)」に指定されています。


外来種
ウシガエル

食用として日本に持ち込まれ全国に広がりました。動くものは何でも食べるほどの食欲で、稲城に元々いる生きものをどんどん食べてしまいます。


      
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【申込方法】参加者の住所・氏名・年齢・電話番号を、電話・ファクス・メールのいずれかの方法でお伝えください。
【申込期限】定員になり次第締め切ります。
【申込先・問い合わせ】
環境課環境政策係
電話 042-378-2111(内線264)
ファクス 042-378-3310
メールアドレス kankyou@city.inagi.lg.jp