最終更新日:2022年4月1日
市内でナラ枯れが確認されたことから、急速な拡大を防ぐためナラ枯れ防除事業を実施しています。
ナラ枯れはカシノナガキクイムシ(以下、「カシナガ」)が媒介するナラ菌によって、ナラ類、シイ・カシ類を枯死させる樹木の伝染病です。特にミズナラ、コナラに対して集団的な枯死を引き起こし、枯死率が高く周辺へと被害が拡大していく傾向があります。
カシナガは、直径10センチメートル以下のナラ類では繁殖しにくく、大径木ほど繁殖効率が良いとされています。近年、里山での樹木の更新が行われなくなったことで、ナラ類が大径木化していき、カシナガの繁殖に適した森林、樹林が増加したことが全国的な被害を引き起こした要因の一つとして挙げられています。
6月から7月頃にカシナガの新成虫が産卵のために健全な樹木に飛来します。雄の出す集合フェロモンによって多数のカシナガが集中的に穿入します。また、孔道内で産卵が行われます。
雌が持つナラ菌が樹木内に入ることで、7月から9月頃に樹木の通水機能が失われ、葉が赤く紅葉したように枯れ始め、1から2週間で急激に枯れてしまいます(枯れない場合もあります)。
カシナガの幼虫は孔道内で育てた酵母類を餌にして成長し、翌年の6月頃新たな健全な樹木に飛んでいきます。
ナラ枯れには下記のような特徴があります。
これまではナラ枯れ被害は確認できませんでしたが、令和2年8月に市立公園の樹木でナラ枯れを確認しました。また、民有林でも、稲城駅南側に位置する自然環境保全地域などで被害が確認されています。
公園緑地等の市が管理する土地での被害状況(令和2年10月時点)は以下のとおりです。
稲城中央公園6本、 城山公園71本、 平尾近隣公園4本
大丸自然公園1本、 谷山(やとやま)緑地28本
稲城ふれあいの森31本
合計 141本
ナラ枯れの被害にあった樹木の対策としては大きく分けて、下記のような手法があります。
人の立入りが多い公園緑地等の市管理地においては、倒木のリスクが高い枯損木を残存させる方法は適さないことから、伐採し適切に処分することを基本としています。
稲城市 都市環境整備部 緑と環境課
電話:042-378-2111