稲城市

No.118 日野・多摩・稲城の三市長から都知事へ要望書の提出

最終更新日:2021年10月12日

都内ではデルタ株のまん延により令和3年7月中ごろから第5波が襲来し、連日記録を更新する新規感染者が発生しました。数の上では令和3年8月中ごろにピークアウトしたように思えますが、その後も新規感染者は高止まりし、令和3年8月末ごろには本来入院を要する中等症患者でさえ、自宅療養をせざるを得ない状況にありました。
昨年来新型コロナウイルス感染症に対する業務は増える一方ですが、対応すべき東京都の保健所は人員体制が逼迫しており、入院を受け入れるべき医療機関においても、人員体制・施設設備が逼迫しております。
こうした危機を乗り越えるべく、令和3年8月31日に日野市長・多摩市長・稲城市長の連名による小池都知事宛て要望書を提出するため、都庁へ吉村福祉保健局長を訪問しました。
要望事項は、(1)保健所の人員体制を速やかに拡充すると共に、保健所と管内各市との間で感染者の情報共有を進めること、(2)臨時の医療施設の整備を進めること、(3)入院調整と回復期の転院調整について都が積極的に関与することの3点です。
要望の趣旨説明にあたり、私からはこのうち2点を強調しました。
(1)については、これまで都は個人情報保護法の関係で感染者の個人情報は教えられないとの一点張りでした。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症は昨年来災害級だと言われています。災害時において被害者の生命を守るためならば、本人の同意がなくとも開示できるはずです。自宅療養している市民に早期の支援を実施すると共に、見守りを強化し、一人暮らしの感染者が孤独死すること等ないようにするためにも、自宅療養者の住所氏名を保健所と情報共有していただくよう申し入れました。
(2)については、自宅療養をなくすために臨時の医療施設を要望するものです。市内で訪問診療・往診に対応する医療機関は限られており、自宅療養者が増えるにつれて徐々に限界に近付きつつありました。限られた医療従事者でケアするためには、原則個室管理とされている感染症対策の平時における医療提供の考え方を改め、災害時における臨時対応として大部屋方式、いわゆる野戦病院様の収容施設を確保するよう申し入れました。
いずれも、その場で即答はありませんでしたが、1週間後に担当の幹部職員から直接私に電話があり、当方の要請どおり保健所との情報共有を認める方向であるとの回答をいただくことができました。
この職員は以前の部署からの知り合いであり、我々市町村の立場を十分に理解してくれておりました。そして、直接都知事に掛け合ってくれたようで、知事からは「それは共有したほうがいいわね」との回答を引き出していただけました。
今後は対象となる市民を保健所と市役所の双方が把握することで、保健所で手が回らない場合などに、市からも早期の支援をすることに繋がっていきます。
今回の情報共有は、東京都との連携で改善すべき事項のごく一部かもしれませんが、制度や組織の壁を一つずつ乗り越えて、市民の安全安心を確保してまいります。
 
 
 
 
 
 
 

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