質問内容 |
回答 |
地方再生・創生に対する見解について 9月から安倍総理がさかんに地域再生・創生と言っているが、これと市の施策とはタームが違うので、この地方再生・創生に関して市ではまた別な計画を持っているのか。 |
市ではまちづくりの骨子を長期総合計画に基づいて実行し、その中で時期等に応じ、様々な施策を練っている。したがって、国が後から地方創生と言っても、すぐに乗るということはない。しかし市が行っている施策の中で、この地方創生に該当するものがあれば、後追いで国の財源が配当されることがあり得るので、その時はそれを活用していきたい。 地方創生は「これをせよ」という指示ではなく、「その地方に応じた独自性をもとに地方を活性化させ、それに該当するものは応援する」という主旨。我々行政は従来から稲城を活性化させ、安全安心で住みやすいまちをつくろうという方向性でやっている。今後とも、その中に何か取り入れられるものがあれば使わせていただく。 |
まちづくりについて 稲城長沼駅については具体的な説明をいただいたが、南多摩駅はどうなるのか。 |
南多摩駅の最終的な整備としては、主に北側が玄関口になり、駅舎の西側にバスロータリー・タクシー乗り場で長い形になる。高架下は南北の通り抜けができるようになる。また、是政橋から向陽台に抜ける道路の歩道も、東京都に申し入れをして整備の調整をしている。 稲城長沼駅は南武線で稲城市の真ん中に位置するので、発信の拠点にしたいと考えている。南多摩にもモニュメントを設置したい。2020年東京オリンピックでは、この近隣でロードレースのコースが設定される予定なので、自転車の聖地とか、後世に残るような拠点を、南多摩駅の高架下の有効活用とともに整備できないか検討している。 |
観光について 市長は観光に重点を置いているようだが、その理由は。 |
観光を核としてまちをつくる、という視点を取り入れたい。稲城は一時期、ニュータウンを中心にまちづくりをし、都心に近いベッドタウンとして寝に帰るまちになりがちだった。ニュータウン開発をした先行事例をみても、定年退職した方たちが地域に戻ってきたとき、地域とのつながりや愛着が薄いのではないかと考えている。それらを踏まえて、選ばれ続け世代交代するまち、愛着が持てるまちにするために、地域活性化の観点で観光という切り口を用いたい。 以前は梨のもぎ取りバスツアーなどを企画し、梨で観光に力を入れていた時代もあった。もちろん、健康・福祉、いろいろな切り口があり、それらを横断的に考えながら行政をひとつにまとめ、今後の稲城をつくっていきたい。 |
特産品について 地域ブランドにもなっている梨だが、稲城の梨を全国的に広めていきたいのであれば、糖度や大きさ、形状などを示してブランド化したらいいと思う。 また、梨を使ったスイーツを作ったらいいと思う。 「なしのすけ」の方が先行してしまっているようだ。 |
JAをはじめ近隣の品評会で、稲城の栽培技術の評価は高い。 「なしのすけ」は稲城市を宣伝するのが本来の仕事であって、梨そのもののPRは、また別の角度で考えるべきこと。しかし稲城の梨を広めていくことに関しては、稲城の梨は生産量が限られていて、現在の量で直売所でさばけられているので、これ以上広めないでくれという農家さんからのご意見もある。 加工品としては、すでに梨ワインや生菓子などがある。しかし日持ちがしなかったり季節限定だったりするので、保存期間が長く、広範囲に販売できるような商品開発を、今後とも意見交換しやっていきたい。 |
農業支援について 梨農家の後継者問題に対して市としてはどう取り組むのか。 |
離農・縮小の多くは、農園を売却し相続税を支払っているというケースであるため、根本解決は難しい。我々行政ができることとして、稲城の梨をさらにブランド化し、農家に商品価値の高さに誇りをもってもらい、梨をつくることの魅力を若い後継者にPRし誘導していかなくてはならない。同時に、加工品の開発・製造のアイデアも、行政がバックアップできればと考えている。 なお、最近、矢野口・東長沼エリアでは後継者が育っていて、稲城の梨生産組合の平均年齢は40歳代と若返っており、世代交代しつつある。農地の税制面での保全の策がないかは、今後の研究課題として捉えたい。 |
れんげまつりについて等 大丸用水は300年の歴史を持っている。今年れんげまつりを開催したが、来年もさらに充実させて開催する方向で動き始めたので、今後もご支援をお願いしたい。 また、大丸野草の会で、年間を通じて見れる野草のパンフレットを、このiバスのパンフレットのように作成し配布したいので、ぜひご支援をいただきたいと思う。 |
れんげまつり、野草のパンフレットについては、それぞれ所管課を通じて事業要望などを出していただきたい。 大丸用水は歴史的・農業技術的・景観的と様々な価値があり、将来への遺産として残していかなければいけないものだと思っている。現在大丸用水そのものは農業用水として整備されているが、将来的には、たとえば水利権を市に返納していただいて観光水利として利活用するなど、水利権の将来的な有りようは研究課題である。 大丸野草の会等の地域活動については、今回開催したウォーキングツアーの重要なフィールドになっていたりもするので、今後の観光パンフレットや何らかの機会で紹介していきたい。 また、昨年度・今年度の市の事業として「生物多様性地域戦略」の策定を進めている。その中で、市内の植生の調査をしたが、今後は市民会議を開き活動をしている市民の皆さんからの情報を集約して、稲城の生物多様性を保全する取り組みを行う。里山の植生の保全についてはぜひ大丸野草の会さんにもお手伝いいただきたいし、成果品の中にも紹介していきたいと考えている。 |