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No.4 「対話」について思うこと

更新日:2024年2月8日

(生涯学習だより「ひろば」1月15日号掲載)

「対話」について思うこと

令和5年11月22日、稲城市立稲城第四小学校で稲城市教育委員会教育研究奨励校としての研究発表会が開催されました。本校は、令和4年度からの2年間にわたり「自分の考えをもち、表現できる児童の育成」を研究主題として、「対話を通して思考を深める授業」の実現を目指した研究に取り組んでこられました。その成果が披露された研究発表会には、コロナ禍以前のように多くの方々が来校くださいました。
 
当日はまず、全学級による授業公開があり、児童同士のインタビュー活動、グループでのカードを用いた言葉の分類活動、またグループによる物語の創作活動など、多様な言語活動が展開されました。「 一人一台タブレット」を活用し、個々の考えを瞬時に全体で共有・評価し合うような活動場面もありました。子ども達は、言語の操作を通して考えを練り上げたり、相手の言語発信を受け止めながら相手に共感したり相手の視点に立って考えを深めたり、また、自らの考えを丁寧に伝えたりと、 他者との対話に取り組んでいました。そのような子ども達の姿から、「対話」の意義、「対話」のもつ力を、私も改めて実感し、特に子ども達が、根拠をもとに相手に分かりやすく伝えようとしている姿勢には、深く感服いたしました。
 
そして授業公開に続き、体育館を会場に、本校教職員からの研究報告があり、このような成果に至るまでの過程について、「ホワイトボードやICTを活用し『対話の可視化』に取り組んできたこと」、「根拠を明確にして妥当性を検討することを重視してきたこと」等が報告されました。これらのご報告を聞きながら、私は、本校の子ども達が、聞き手に分かりやすいよう工夫しながら対話を行っている姿の根底にはこのような実践の過程があったのだと、本校教職員の工夫や努力に思いを馳せるとともに、本研究は、多様な他者との協働連携がさらに必要となる時代に活躍する子ども達の育成という点において大変価値のあるものと思いました。そして同時に、数年前の自らの体験も蘇ってきました。
 
令和元年(2019年)夏、私は、米国での教育施設視察のフィールドワークに参加し、テネシー州ナッシュビル市の大学を拠点に、教育関係者と情報交換や協議を行ったり、幼稚園・小学校・教員研修施設等を参観したりしました。その初日、ミーティングの場で、私達一行は、自己紹介とともに「特に何を学びたいか」について一人一人が話をするという課題を与えられました。そこで私は、迷わず、「アメリカのESDについて知りたいです。」と申し上げたのですが、先方から「ESD?それは何ですか。」と問われ、「えーと・・・持続発展教育というもので、・・・持続可能な社会の形成者を育成するための・・・」と、中途半端な説明に終わってしまいました。そして全員の自己紹介の後、訪問団長の教授から、私達は、「ここは日本ではありません。日本で通用する教育用語も、 外国では違う伝わり方をすることがあります。特に自分が伝えたい教育課題については、『概念』を分かりやすく伝えなければいけません。」とのご指導を受けたのです。その日からの米国での1週間、私は「『概念』を語らなければ」と、繰り返し自分自身に言い聞かせ、特に教育についての用語を用いる際には、用語の根本の意味や意義、制度に込められた考え方等を言語化するよう努めてみました。全てがうまくいったわけではありませんでしたが、この体験から、私は、多様な人々と対話をするには、根拠や背景や定義をもって「概念」を語ることにより、相手と自分が同じフィールドに立てるのだとの考えを得ることができました。「グローバル化」の時代に、多様な人々と確実な対話をできるということは、必要不可欠な資質です。そしてそのためには、物事の本質を確かな言語力で分かりやすく伝えられる力が大切です。そのような資質を高めるような実践にチャレンジした稲城第四小学校の取組に、今、改めて、感謝を申し上げます。
 
本校に限らず、城市の各学校では、この10年ほど、「言語活動の充実」に継続して努めてきています。構内の随所に季節を感じる言葉を掲示していたり、授業では、児童・生徒が主体的に自らの考えを発信する光景がたくさん見られたりします。今後引き続き、各学校には言語力向上と様々な対話の機会の充実を工夫していただきたいとの願いをもちつつ、私は、その実現のためにも、令和6年度に向け、稲城の子ども達がさらに多様な人々と出会う機会を増やしていきたいと考えています。従来からお世話になっている地域の方々、姉妹友好都市の児童・生徒や大人の方々との交流、スペシャリストである外部講師の方からのご指導、市内の他校の児童・生徒同士の協働的な学び、留学生やALT等外国人の方々とのコミュニケーション活動など、稲城の子ども達が、より多様な人々と対話をすることにより、相手を想いながら、自らの考えを適切に発信する力を高めていってほしいと思います。
 
稲城市教育委員会教育長 杉本 真紀子

このページについてのお問い合わせ

稲城市 教育部 教育総務課
東京都稲城市東長沼2111番地
電話:042-378-2111 ファクス:042-379-3600

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