ナラ枯れ防除
市内でナラ枯れが確認されたことから、急速な拡大を防ぐためナラ枯れ防除事業を実施しています。
ナラ枯れとは
ナラ枯れはカシノナガキクイムシ(以下、「カシナガ」)が媒介するナラ菌によって、ナラ類、シイ・カシ類を枯死させる樹木の伝染病です。特にミズナラ、コナラに対して集団的な枯死を引き起こし、枯死率が高く周辺へと被害が拡大していく傾向があります。
カシナガは、直径10センチメートル以下のナラ類では繁殖しにくく、大径木ほど繁殖効率が良いとされています。近年、里山での樹木の更新が行われなくなったことで、ナラ類が大径木化していき、カシナガの繁殖に適した森林、樹林が増加したことが全国的な被害を引き起こした要因の一つとして挙げられています。
ナラ枯れのメカニズム
6月から7月頃にカシナガの新成虫が産卵のために健全な樹木に飛来します。雄の出す集合フェロモンによって多数のカシナガが集中的に穿入します。また、孔道内で産卵が行われます。
雌が持つナラ菌が樹木内に入ることで、7月から9月頃に樹木の通水機能が失われ、葉が赤く紅葉したように枯れ始め、1から2週間で急激に枯れてしまいます(枯れない場合もあります)。
カシナガの幼虫は孔道内で育てた酵母類を餌にして成長し、翌年の6月頃新たな健全な樹木に飛んでいきます。
ナラ枯れの特徴
ナラ枯れには下記のような特徴があります。
- ミズナラやコナラなどのナラ類、アラカシやスダジイなどのシイ、カシ類である
- 6月から9月に急速に葉の色が赤褐色に変色し枯れる
- カシナガが穿入した直径1.4から1.9mmの小さな孔が多数ある
- 根元付近に大量のフラスがある
市内の被害状況
これまではナラ枯れ被害は確認できませんでしたが、令和2年8月に市立公園の樹木でナラ枯れを確認しました。また、民有林でも、稲城駅南側に位置する自然環境保全地域などで被害が確認されています。
公園緑地等の市が管理する土地での被害状況(令和2年10月時点)は以下のとおりです。
- 公園緑地
稲城中央公園6本、 城山公園71本、 平尾近隣公園4本
大丸自然公園1本、 谷山(やとやま)緑地28本 - その他
稲城ふれあいの森31本
合計 141本
ナラ枯れの防除手法
ナラ枯れの被害にあった樹木の対策としては大きく分けて、下記のような手法があります。
- 伐採し、適切に処分する方法
- 立木のまま殺虫剤を注入する方法
- カシナガの脱出防止のために木をシートなどで被覆する方法
人の立入りが多い公園緑地等の市管理地においては、倒木のリスクが高い枯損木を残存させる方法は適さないことから、伐採し適切に処分することを基本としています。
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