No.6 「シビックプライド」の姿に学ぶ

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ページID1010905  更新日 令和6年12月24日

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( 稲城市の教育「イエール」 9月15日 第2号掲載 )

「シビックプライド」の姿に学ぶ

日々、地域・市民の皆様からの、学校や子ども達への温かいご支援を実感しています。今回はまず、最近出会った二つの出来事を紹介します。

1 令和6年7月16日、教育委員会は、「令和6年度 第1回学校運営協議会委員 会長研修・連絡会」を開催、各校の学校運営協議会(以下「協議会」)会長の皆様が、互いの協議会運営について情報交換するとともに協議会の在り方等について意見交換を行いました。当日の、協議会長からのご報告、また、グループ協議におけるご発言の一部を紹介させていただきます。

「子ども達が今学んでいることが、今後どう生かされていくかを、協議会で考えています。」「『部活動』『働き方改革』『不登校』について協議しています。」「英語学習等、地域の人の力を生かす機会を増やしていきたいです。」「地域と学校の互いの思いを繋げるのが、協議会の務めと思っています。」「生徒・保護者向けの『LINE相談窓口』を開設しました。」「稲城市は新しい人を受け入れる態勢があります。協議会が、『新しい風』を受け入れる役を担っていきます。」「校長先生としっかりと組んで、学校を改革していきたいです。」

それぞれのご発言は、地域で暮らし、社会に活躍する方々ならではの視点に基づくお考えやアイデアであり、さらに、協議会の力を生かし学校の運営をしっかりと支えていこうとのエネルギッシュなエールでありました。加えて、各学校長の経営方針への深いご賛同のお声も複数いただきました。

「学校運営協議会」とは、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき設置し、学校運営協議会を設置している学校をコミュニティ・スクールと称します。保護者や地域の方々が、一定の権限と責任をもって学校運営に参画する仕組みです。その主な役割としては、「学校運営の基本方針を承認する」「学校運営に関する意見を述べることができる」「教職員の任用に関し意見を述べることができる」旨、定められています。稲城市では、令和4年4月1日に市立学校18校に「学校運営協議会」が設置され、全校がコミュニティ・スクールになりました。なお、協議会委員につきましては、「稲城市立学校における学校運営協議会の設置等に関する規則」において、地域住民・保護者・地域学校協働活動推進員・校長等から5人以上10人以内を、校長の推薦により教育委員会が任命することとしています。

このように、「学校運営協議会」は、学校の教育活動・運営について協議・審議を行う組織です。現在、全国の導入状況は、公立学校全体で協議会設置率52.3%(令和5年度データ、文部科学省による発表)、しかしながら、「十分な協議が行われていない形式的な学校運営協議会も見受けられる」「学校からの形式的な報告が中心となっている場合がある」(『コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議 最終まとめ』令和4年3月、文部科学省)とされ、さらなる質的向上の必要性も指摘されています。そのような全国的な状況の中において、本市の学校運営協議会は、「基本方針の承認」や「学校運営への意見」を超えて、学校運営に関する課題を具体的に解決していきましょうとの姿勢のもと、実に活発な協議が展開されているのです。私は、委員の方々が、それぞれの「得意分野」について発信しながら主体的に協議を展開されていることに、深く敬意と感謝を感じました。

2 私は教育長就任以降、市内の様々な会議に出席する機会をいただいております。そのような中、稲城市商工会・奈良部義彦会長の、「コロナ禍」さらに「アフターコロナ」という困難な状況ですが活気ある稲城市の「シビックプライド」をもちながら新たなビジネスチャンスの創出に向けていきましょう、という、市内事業所の方々に向けられた力強いメッセージを度々拝聴しました。また、様々な会合において、市内の事業所経営者の方々から、事業発展への思いや方策を伺い、大変学ばせていただいてまいりました。このような出会いを重ね、私は、「本市で事業展開される方々から、稲城の子ども達が、直接、『起業家の精神』というものを学ぶ機会をつくりたい」、という思いを抱くようになりました。そこで、昨年度末、奈良部会長のご高配を賜り、稲城市立中学校「職場体験」について新たな受入事業所の拡大をご相談申し上げましたところ、令和6年度の実施に向け多くの稲城市商工会員の皆様にご快諾をいただき、事前に、「職場体験楽しみにしています。特別のワークショップのプログラムを作成しました。」というお声などもいただきました。起業家・経営者としての知見に裏付けられたご指導は、子ども達にとって貴重な学び・体験となることと、大変ありがたく存じます。

学校運営協議会委員、職場体験受入事業所の皆様に共通しているのは、「地域に暮らし、社会に生きる視点」を基盤に、学校を、子ども達を、そして稲城市を、社会全体を、自らのお力をフル回転させ向上させていこうとの、熱いご意思です。まさに、「シビックプライド」、そのお姿を間近にすれば、本市の子ども達も自らの「シビックプライド」を培い磨き上げていけるのではないかと、希望に胸が高鳴ります。

また、ここに紹介いたしました事例は、最近の新たな連携であり、本市の教育は、これまでも長いこと、地域・保護者の皆様から厚いご支援を賜ってきております。梨・ぶどうの栽培や米作り等の体験学習にご指導くださる皆様、既に以前から職場体験を受け入れてくださっている皆様、地域教育懇談会、PTA、学校支援コンシェルジュの皆様など、多くの方々の、学校と子ども達へのご支援の積み重ねが、さらに多くの方々に広がり、新たなご支援に繋がっていることを感じております。

改めまして、ご本業等に大変ご多用の中のご支援にお礼を申し上げますとともに、皆様のお力・お姿を、「シビックプライド」の精神を備えた、持続可能な社会の創り手の育成に繋げてまいります。

稲城市教育委員会教育長 杉本 真紀子

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