No.158 令和7年度当初予算
第一回市議会定例会にて本年度の当初予算が可決成立しましたので、概要をお伝えします。
令和7年度当初予算は昨年8月に予算編成方針を定め、それに沿って原案の編成作業を進めてきました。
日本経済はコロナ禍からの回復基調を維持しているものの、物価上昇による個人消費の抑制、海外経済の減速見通しによる企業収益の先行き不安が懸念され始めています。一方で政府は「経済財政運営と改革の基本方針2024」において、我が国の経済はコロナ禍による落ち込みから回復し、高水準の賃上げ・企業の設備投資等、デフレから完全に脱却し成長型の経済を実現させる千載一遇の歴史的チャンスを迎えているとの認識です。
これらを踏まえ国や東京都の令和7年度予算案が策定され、いずれも過去最高額を更新しました。
稲城市においては、施設更新等の単年度要因があるものの歳出要求は高止まりしており、各部署からの当初要求では歳出総額が歳入総額より約61億4千万円も多い状態でした。この歳入不足額は昨年同時点の約59億円を超えて過去最大となり、これまで以上に困難な予算編成となりました。
市では、
- 健全財政の維持・第5次長期総合計画の実現・持続可能な行財政運営
- 物価上昇・社会情勢の変化への対応
- 震災や豪雨災害から市民を守る防災減災対策
- 受益者負担の見直し・新たな財源確保・施策の優先順位付け
の4点を基本として予算編成に取り組みました。
令和7年度一般会計予算は対前年度9.4%、39億7,300万円増の総額460憶5,300万円で、過去最大規模となりました。
歳入では、歳入総額の約4割を占める市税が個人市民税の定額減税の終了・人口増・新築家屋の増等の要因により全体で6.4%、10億6,000万円の増となりました。しかし、定額減税の減収補填として交付されていた地方特例交付金が約81%、約4億5,400万円減額となり、純然たる市税の増収は約6億円です。
歳出では、給与改定により人件費が増、児童手当の所得制限撤廃・民間保育所等運営委託料・障害介護給付費・障害児通所給付費等により扶助費が増、第三小学校校舎建替工事・第二小学校校舎増築工事・公園整備等工事等により投資的経費が増、システム標準化関連費用・予防接種委託料・妊婦のための支援給付事業・給食賄材料費等により物件費が増、学校給食費保護者負担分補助金等により補助費が増となり、歳入同様に対前年度9.4%の増となりました。
本年度の主な工事は、多3・4・12号読売ランド線道路改良、多7・5・3号線道路新設、稲城駅南口駅前広場改良、吉方公園整備、第二小学校校舎増築、第三小学校校舎建替、中学校特別教室空調設備設置等で、これらを含めた工事関連経費の総額は約40億5千万円となり、予算規模を大きくしている要因です。
次に政策課題ごとの特徴的な予算を紹介します。
子育て支援関連
妊婦への経済的支援として妊娠届出時に5万円分、出産時に胎児数×5万円分の電子ギフトを給付します。産後ケア事業の拡充として市立病院に日帰り型を新設し、市内3カ所に地域子育て相談機関を設置します。保育園等に就園していない幼児を保護者の就労の有無にかかわらず預かる「こども誰でも通園制度」を一年前倒しで実施します。吉方公園を拡張しインクルーシブ公園として整備し、南山地区の公園用地2カ所を暫定整備・開放し、JR南武線高架下の東長沼地区に公園整備を行います。
保健・福祉関連
令和7年度で満了となる「稲城市医療計画」を令和7年度から令和8年度にかけて改定します。健康状態不明者を把握し疾病の重症化やフレイルを予防する高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業を進め、市内3カ所目となる定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の開設を支援します。令和8年度に満了となる「稲城市地域包括ケア計画」を令和7年度から令和8年度にかけて改定します。若葉台小学校の余裕教室を利用してふれあいセンター若葉台を開設します。
教育関連
GIGAスクール構想第2期に向けタブレット端末の全台を入れ替えます。小中学校の英語力向上のためALTを増員・直接雇用し、中学校においてオンライン個別英会話を実施します。第二小学校校舎増築・特別教室空調設備設置、第三小学校校舎建替、向陽台小学校体育館バリアフリートイレ設置、第五中学校体育館屋上防水改修、中学校特別教室空調設備設置等の工事を実施し施設整備を進めます。
防犯・防災・減災関連
特殊詐欺対策として配布していた自動通話録音機の給付をやめて防犯機能付電話機への買い替えを支援します。木造住宅の耐震化を更に進めるため新耐震基準で建築された住宅のうち昭和56年から平成12年建築にも支援対象を拡充する他、旧耐震の木造住宅の解体工事やブロック塀撤去後のフェンス設置費用も助成対象とします。平成31年度に作成した「いなぎ防災マップ」を更新・全戸配布し、市役所庁舎の受変電設備を改修し停電時の業務継続可能エリアを拡張します。消防デジタル無線設備を更新し、障害発生時にも通信が途絶えないようにし、防災行政無線設備の更新に併せて防災アプリを導入し機能強化を図ります。稲城消防署の非常用発電機を容量がより大きなものに更新し、全天候型でスピーカーや物資搬送装置を備えたドローンを追加配備します。
デジタル化推進関連
民間事業者のデジタル知見を活用し事業課の業務フローを見直して行政手続きのオンライン化を進めます。都内自治体のIT化推進のために設立されたGovTech東京の人材を活用し市ウェブサイトのメンテナンスを通じて情報発信を改善していきます。令和6年度の体育施設に続き、その他の公共施設においても新予約システムに移行し、利便性を向上させます。
スポーツ・観光関連
読売巨人軍と協定を締結する周辺6市の広域連携事業としてジャイアンツタウンスタジアムを活用したイベントを実施します。令和7年度に満了となる「第二次稲城市観光基本計画」を改定します。老朽化した体育施設のナイター照明をLED化します。
地域公共交通関連
深刻なバス運転手不足に対応するため新モビリティ交通の導入に向けた実証実験を行うと共に南山地域等の公共交通の在り方を調査研究します。
なお、最近の物価高騰対策として、令和7年度当初予算とは別に2月14日に専決処分した令和6年度一般会計補正予算(第7号)で国の令和6年度補正予算に基づく物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した「住民税非課税世帯等臨時特別給付金」を予算化しております。
また、令和7年度当初予算と同時に第一回市議会定例会に上程した令和6年度一般会計補正予算(第8号)でプレミアム付き商品券の発行の他、物価高騰への対策を講じております。
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