No.8 宮城県女川(おながわ)町の災害廃棄物受け入れについて

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ページID1005949  更新日 令和6年12月16日

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(広報いなぎ平成24年6月15日号掲載)

澄んだ青空と海鳥の鳴き声、遠くにガレキを処理する重機の音と目の前に横倒しとなったビル…そこは津波で押し流され、何も無い空虚な場所でした。
平成24年5月8日、私は多摩川衛生組合の管理者として、副管理者の市長・組合議会の正副議長・構成市代表議員の皆さんと共に、女川町の廃棄物選別処理施設を視察に訪れました。
三方を山に囲まれた漁港である女川町は、平地がほとんどなく、公共用地にガレキの仮置き場を確保できないため、やむなく民有地に積み上げている状況でした。
東日本大震災の津波で発生した廃棄物は、岩手県で通常の約11年分、宮城県で通常の約19年分です。一方、女川町では推定で444,000トン、実に通常の100年分以上であり、この大量のガレキを処理しなければ、町の復興計画を進めていくことができません。
廃棄物を適正に処理するための選別は、私たちの想像以上に徹底されていました。重機を用いて金属類やコンクリート殻(がら)などを一次選別した後、磁石による金属物の分離、トロンメルという篩(ふるい)の機械などによる再選別を経て、最終的な手選別ラインに送られます。ビン・ガラス・コンクリート殻・石・陶器などの不燃物、金属物、木材・廃プラ・紙くず・繊維くず・畳・皮革ゴム等の可燃物、アスベスト混入物、電池など有害物にきめ細かく分別されていました。
また、選別ライン各所と移送される可燃ゴミについては、放射線量を測定し、随時ホームページに公表していました。
仮置き場に積み上げられた廃棄物は、まさにガレキそのものですが、選別処理後は、木材を中心とした可燃ゴミだけになっており、素手で触っても気にならないレベルでした。
女川町の広域処理については、都内の清掃工場において円滑に処理できるよう昨年11月に東京都市長会・特別区長会・女川町・宮城県・東京都の間で基本合意が締結されました。
稲城市の加入する多摩川衛生組合では、これまで

  1. 東京都の事業枠組みに沿った対応であること、
  2. 安全性の担保、
  3. 地域住民へ説明会の実施、
  4. 多摩地域全体で対応すること、

といった事項を受け入れの前提条件としてきました。
本年1月末には、多摩地域の自治体で構成する東京都市町村清掃協議会から、施設基準を満たす多摩地区の7工場(八王子市戸吹(とぶき)清掃工場・町田リサイクル文化センター・日野市クリーンセンター・柳泉園(りゅうせんえん)組合・西多摩衛生組合・多摩川衛生組合・多摩ニュータウン環境組合)に正式な受け入れ要請がありました。そのため、現地視察による安全確認、住民説明会の開催へと手続きを進めてきたところです。
これからは、これらの清掃工場から排出される焼却灰の受け入れについて、最終処分場の所在地である日の出町さんとの協議が整ったため、既に処理を実施している23区に続き、多摩地域でも開始していく運びとなります。
女川町では、今年度末までにガレキの全量を処理する予定と聞いております。石巻市などの周辺市と異なり、公共用地の仮置き場を確保できない女川町では、時間こそが復興を成功させる重要な要素となります。皆様のご理解をよろしくお願いします。

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