No.67 衆議院議員選挙の区割り見直しについて
更新日:2017年6月12日
広報いなぎ平成29年6月15日号掲載
平成29年4月19日に内閣府の「衆議院議員選挙区画定審議会」いわゆる「区割り審」から安倍内閣総理大臣に小選挙区の改定案の勧告が提出され、これに基づき平成29年5月16日には公職選挙法の改正案が閣議決定されました。
小選挙区については、これまで選挙の度に1票の較差を巡って訴訟が提起され、最高裁は3度にわたり違憲状態との判決を出しています。国では将来人口を踏まえ、次回の見直しまでの5年間、較差が2倍未満になるよう暫定的な見直しを行うとしています。
今回の区割り見直しは、合計19の都道府県が対象となり、6県で小選挙区が一つずつ減らされ、13都道府県で区割りの線引きが変更されます。区割りが見直される選挙区は97選挙区となり、平成6年に衆議院に小選挙区制度が導入されて最大の見直しです。
今回の見直しによって、平成32年の人口推計による試算では、最も人口が多い東京22区(554,880人)と最も少ない鳥取1区(277,569人)の較差が1.999倍になる見込みです。
1票の較差是正は当然に必要なことであり、そのことに異を唱えるものではありません。しかし、2倍未満となるよう見直すに当たり、基礎的自治体である市を分割することは、にわかに容認できません。
稲城市は市域全体が東京22区(三鷹・調布・狛江・稲城)に属していましたが、今回の勧告で、坂浜・平尾・長峰・若葉台の地区が東京21区(立川・日野ほか)に移行し、それ以外の地区が東京22区に残留となっています(イメージ図参照)。
稲城市では昨年末から総務省のヒアリングを受け、その都度、分割することのないよう強く申し入れてきましたが、残念ながら聞き入れてくれませんでした。区割りの決定には市町村が関与する権限はありませんが、手をこまねいては総務省原案のまま分割されてしまう恐れがあったため、平成29年3月21日に多摩市と共同で「区割りにおける市の区域の分割について再考を求める声明」をプレス発表しました。平成29年4月20日には今回の課題についてNHK首都圏ネットワークが取り上げてくれましたので、テレビでご覧いただいた方も多かったと思います。
勧告に対して平成29年4月19日に私から発表させていただいたコメントの概要は次のとおりです。
稲城市長の声明
(1) 衆議院議員選挙区画定審議会において定められた「市区町村の区域を分割しないことを原則」とする区割り改定案の作成方針に則り、区割り改定案を作成するよう申し入れてきたが、それが受け入れられなかったことは、誠に遺憾である。
(2) 国策として進められたニュータウンの所在自治体として、地域の一体感の醸成などに努めてきた本市にとって、そのことを損ない、なおかつこのような規模の小さな市を分割する区割り案が勧告されたことは、誠に遺憾である。
(3) 今回の区割り改定は、平成27年の国勢調査の結果に基づく暫定的な措置とされていることから、平成32年の国勢調査の結果を受けて行われる区割り改定に際しては、市を分割することのないよう、抜本的な再見直しを求めていきたい。
今後とも選挙区改定の動向につきましては、市広報などでお知らせしてまいります。
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