No.37 ノーベル物理学賞受賞
更新日:2014年11月15日
(広報いなぎ平成26年11月15日号掲載)
本年のノーベル物理学賞に青色発光ダイオード(LED)を開発した名城大学教授の赤崎勇氏・名古屋大学教授の天野浩氏・カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二氏が選考されました。
赤崎氏と天野氏は名古屋大学の研究室で師弟関係にあり、青色LEDの開発に世界で初めて成功し、その後中村氏が量産化技術を確立しました。複数人による共同研究の場合、または共同ではないが複数人の業績が受賞理由になる場合は一度に3人まで受賞することができるとのことで、今回はこの皆さんが同時受賞となりました。
ノーベル賞は、ダイナマイトの発明者であるアルフレッド・ノーベルの遺言に基づき始められた表彰制度で、6部門あります。
今回を含めた日本の受賞歴は、物理学賞10人、科学賞7人、生理学・医学賞2人、文学賞2人、平和賞1人の合計22人で、経済学賞はまだ受賞がありません。
ノーベルの遺言は「換金可能な財産による基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最も貢献した人に賞として与える」というものです。
こうした趣旨を踏まえ、人類と社会の発展に貢献してきた全てのノーベル賞受賞者に敬意を表するものですが、今回の受賞は基礎研究から実用化までを日本の研究者が成し遂げたものであり、ことさら誇りに思います。
科学技術の発展については、日米では科学自体の発展のために研究政策を立てていますが、その他の国では経済発展のために行っているという見方もあるようです。真偽はともかくとして、日本では1995年に科学技術基本法を制定以来、巨額の資金を基礎研究に投資してきており、その成果が現れているようです。
ノーベル賞受賞総数は欧米にかなわないものの、2000年以降の自然科学3分野では日本の受賞が相次ぎ、一定の存在感を示しています。日本は研究費も多く、世界との情報ネットワークも強いので、更に期待できるとの意見もあります。
しかし、研究分野への投資はノーベル賞受賞数を増やすために行っているのではありません。若者の教育環境・研究環境を充実してこそ「ものづくり日本」を支える人材の再生産につながるものであり、資源のない日本が将来に渡って繁栄していくためには、人に対する投資が重要であると感じます。
昨今の教育現場では、若者の理科離れ、留学生の減少などが課題になっていますが、多くの子どもたちが純粋な気持ちで学問に取り組み、その成果が国を繁栄させ、結果的にノーベル賞受賞者が増えていくように、私たちはその礎を築かなければなりません。
今回の受賞の報にあたり、今後とも教育委員会との連携を深め、未来を担う稲城の子どもたちの教育に取り組む重要性を再認識した次第です。
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