No.142 コロナ明けの市外出張再開
更新日:2023年12月12日
本年はコロナ禍4年目となりますが、感染症法上の位置付けが5類に格下げとなって以来、社会生活・経済活動は徐々に平時に戻ってきました。
今年後半では、各地域において盆踊り・地区のお祭り・神社の例大祭・運動会その他行事が4年ぶりに制限無しで開催され、いずれも大盛況でした。Iのまちいなぎ市民まつりでは、10月21・22日の2日間に約7万人がお越しくださり、来場者数の新記録となりました。
コロナ明けでは、イベントの再開のみならず、市長・議員・公職者等の市外出張も再開され、制限が解除されつつあります。私も10月は久しぶりに出張が集中しました。その一端をお伝えします。
10月2日から5日は、台湾を訪問しました。私が参加する「日台共栄首長連盟」という有志の市町村長の会による初の公式訪問です。日本は台湾との間に国交が無いため、自治体レベルで交流を深めようとするもので、従来の経済文化領域を超えてつながりをより深めることを目的に活動しています。
今回は台湾政府外交部が積極的に受け入れてくださり、台湾軍による厳重な警備下にある総統府において、蔡英文総統、頼清徳副総統などの政府要人に面会し、意見交換ができました。
10月11日から13日は、青森県八戸市で開催された全国市長会主催の都市問題会議に出席しました。11日に前泊し、初日の12日はテーマに沿った基調講演・主報告・一般報告が行われました。今回のテーマは「文化芸術・スポーツが生み出す都市の魅力と発展」で、東京芸術大学長・アーティストの日比野 克彦氏から「アートの役割って何だろう?」の演題で基調講演をいただきました。開催地八戸市の熊谷市長からは「八戸市の文化・スポーツによるまちづくり」との主報告をいただきました。
いずれも、単純な観光のみでなく、文化やスポーツも含めた地域振興の観点からまちづくりを進めていこうとするもので、今後の我が市の参考とさせていただきます。
二日目の13日は午前中のシンポジウムと午後の行政視察の予定を変更し、六ケ所村の原燃サイクル施設を見学させていただくことになりました。日頃懇意にしていただいている長野県佐久市の柳田市長からお誘いがあり、参加しました。
最初に日本原燃株式会社のPRセンターで、施設全体の概要について説明を受け、バスに乗って敷地内の各施設を見学しました。
PRセンターの内部以外は撮影禁止で、カメラ機能のついている電子機器は持ち込み禁止となっています。場内は、非常に高水準な安全対策・テロ対策のため、多くの箇所で改修工事が行われていました。場内では、1日平均7千人の就労者が作業しているとのことで、活気づいていました。
原燃サイクル施設の主な事業は、(1)ウラン濃縮工場、(2)低レベル放射性廃棄物埋設センター、(3)高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、(4)再処理工場、(5)MOX燃料工場です。
このうち(1)は1992年3月に、(2)は1992年12月に操業を開始しています。(3)は1995年4月に操業開始し、(4)は1993年4月に着工し、(5)は2010年10月に着工し、それぞれ2024年度上期に竣工予定とのことでした。
再処理工場では、新規制基準適合性審査の合格条件となっている対策工事が進行中で、完成後は国内処理ができる見込みとのことです。一連の対策工事は、想定を上回る規模の竜巻等、自然災害に耐えうる補強が主なものでした。
日頃、原燃サイクル施設に関しては正確な情報に接する機会が少なく、事業全体が遅延し、本格稼働の見込みが無いかのような印象がありますが、こうして実地に視察させていただくと、計画している事業全体が近いうちに稼働する見込みであることが分かりました。
こうして、市外出張や視察研修は、他の自治体の取組を知ったり、正しい情報を得るうえで重要で、知見を深めるためにも有用なものです。今後とも得られた知識を稲城のまちづくりに還元できるよう取り組んでまいります。
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