No.111 家族をみんなでカンガエルーシンポジウム
更新日:2021年3月12日
令和3年1月30日に中央文化センターホールにおいて、稲城市聴覚障害者協会・IGB・SODAの会・J-CODAの共催によるシンポジウムが開催され、参加させていただきました。
今回は、新型コロナウイルス感染症の予防対策に万全を期し、会場内は50人限定となっていましたが、インターネット回線により同時中継され、全国で約250人が参加されたとのことでした。
稲城市聴覚障害者協会では、毎年講演会や講座を開催しており、令和2年度ではこのシンポジウムを開催することとなりました。
IGB(NPOインフォメーション ギャップ バスター)は、東京・神奈川を活動拠点にして、コミュニケーションに困難を覚える方を支援する非営利活動法人です。様々な心身の特性や考え方を持つ全ての人々が相互に理解を深めようと支え合うコミュニケーションバリアフリーを推進しています。
聞こえないきょうだいをもつSODA(ソーダ)の会は、Siblings of Deafの略で、聴覚障害のある兄弟姉妹をもつ方達の支援団体です。家庭では親の関心が障害児に向きがちで、健常児の兄弟は寂しさを感じたり、家族としてどう支えていくか等、特有の悩みを抱えるケースが少なくないようです。
J-CODA(ジェイコーダ)は、Japan-Children of Deaf Adultsの略で、聴覚障害のある親をもつ子ども達の支援団体です。コーダ同士で語り合う場として定期的なイベントや勉強会を開催しています。
当日は第一部で、参議院議員今井絵理子さん、SODAの会の丸田健太郎さん、J-CODAの五十嵐大さんにそれぞれ講演をいただき、第二部で参加者との意見交換を実施しました。
今井絵理子さんは歌のユニットSPEEDのメンバーで現職の参議院議員でもありますが、ご長男に聴覚障害がある親の立場での参加です。手話を自在に使いこなす方でもあります。
3人の講演をお聴きし、聴覚障害者の当事者本人ではない親・兄弟・子どもという立場であっても、差別を受けたり、人知れぬ労苦があったということを知り、障害へのより一層の理解が必要なのだと感じました。
稲城市聴覚障害者協会では、聴覚障害児がいる家庭でのコミュニケーションを支援するケアラー(世話をする人)の心理的負担が社会問題となってきている背景を踏まえ、家族の様々な立場の人が一堂に会し、悩みを共有することにより心理的負担を軽減する目的でこのシンポジウムを開催したとのことでした。
例年のイベントと異なり、広域を対象にした大きなものであり、インターネット配信を前提とした会場設営や予算面などで、大きなご苦労があったと思いますが、心強い協力者も得て、無事に終えることができて何よりでした。携われた関係者の皆さまに感謝と敬意を表します。
市では、聴覚障害児がいる家庭でのコミュニケーション問題という新たな課題に関して、今後聴覚障害者協会と共に考え、支援してまいりたいと思います。
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